メタボリックシンドロームの概念
肥満、特に、内臓脂肪の蓄積が基本の病態に存在し、そこに遺伝的素因が加わり、 高血圧、糖尿病、高脂血症の三大危険因子を複数合わせ持った状態を指します。
メタボリックシンドロームにおける内臓脂肪蓄積とは
内臓脂肪蓄積は、メタボリックシンドロームにおいて中心的な病態であり、日本における
診断基準でも必須項目となっている。
すなわち、内臓への脂肪の蓄積は、高血圧、高トリグリセライド血症、低HDLコレステロール血症
高血糖といったメタボリックシンドロームの各リスクファクターを引き起こす原因となっている
ということなのである。
また、内臓の脂肪量は、メタボリックシンドロームと並行して認められることの多い
インスリン抵抗性の程度とも相関するとされている。
さらに、近年のめざましい研究の進歩によって、脂肪細胞から種々の生理活性物質(サイトカイン)
が分泌されることがわかってきており、メタボリックシンドロームの病態とアディポサイトカイン
の分泌量が密接に関連していることも明らかになってきた。
現在までに脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインとして同定された主なものとして、
レプチン、アディポネクチン、PAI-1、TNF-α等がある。
このうち、病態と密接に関係することが証明されているのがアディポネクチン,PAI-1,TNF-αである。
例えば、アディポネクチンは内臓脂肪蓄積状態では脂肪細胞からの産生が減少するが、
それが改善されると、すなわち内臓脂肪が減少すると上昇する。
当然、糖尿病や高脂血症、高血圧の各病態では、血中におけるアディポネクチンの濃度は
低下しているのであるが、この病態の時にアディポネクチンを投与するとその病態が
改善することがわかってきた。
すなわち、アディポネクチンは病態を簡易に把握できる血液中のマーカーであると同時に、
治療にもつながる非常に重要な因子であるといえる。